2009年8月18日火曜日

農業法人みずほ社長 長谷川久夫

激安じゃなくても消費者はついてくる
~高くても売れる野菜直売所が農家を救う~


2009年8月10日放送

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■ 農業法人みずほとは
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・主な事業は農産物直売所の運営
・売上高 5億9000万円
※売上は15年で約3倍
・加盟農家 45戸
・年間の顧客数 25万人(レジ通過)
・商品はスーパーよりも2~3割高い

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■ 農業法人みずほの環境分析
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外部環境
・顧客に潜在的ニーズがあった
→高価でも安全なもの、季節に合った美味しいものを食べたい
・競合がいない

内部環境
・複雑なプロセスを廃し、直売所で販売
(従 来)農家→農協→市場→卸業者→小売
(みずほ)農家→直売所
→消費者からフィードバックが生産者にダイレクト
→中間マージンの搾取がなくなる
・良いものであれば高く売れるという単純なルール
→生産者は品質向上だけに全力を注げる

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■ 農業法人みずほ業界分析
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業界の定義:消費者向け高品質有機野菜の販売業
メッセージ:利益を奪われる要因はほとんどなし!魅力的な業界

①新規参入の脅威
「力」→弱
・農家を育て、高品質有機野菜の商品開発ノウハウが参入障壁
・一朝一夕ではノウハウは育たない
→社長(経営者)が農業経験者であるから可能
・もちろん農家出身の経営者が今後出てくる可能性がある

②代替品の脅威
「力」→弱
・食の安全ブームは当分の間続きそう
・商品のR&Dで、同等品質でより安価なものが出てくる可能性はある

③買い手の交渉力
「力」→弱
・市場のニーズは非常に高い
・顧客は食の安全、高品質な商品を求めているため、高価でも購入
→ただし全ての商品は試食できるため、顧客は納得した上で購入

④売り手の交渉力
「力」→弱~中
・高品質商品でないと買い取らない
→ただし商品の価格は農家が自分で決められる
・1つの商品に対し、常に2人以上の農家のコンペティターがいる
・後発組は先発組より高く売らなければならない
→後発組は付加価値を求められる。番組では後発組の商品が売れていた

⑤業界内の競合他社
「力」→弱
・競合他社はおらずほぼ独占的な状態
・成長する可能性高い

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■ リスク
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・市場のニーズが高く、農業ブームも相まって競合増加の可能性
・高度なSCMを利用して都内に直売所を作るなどの新たなビジネスモデル
・急激な規模の拡大を求めた場合、品質悪化の恐れ

2 件のコメント:

  1. psser-by the way2009年8月29日 14:11

    録画に失敗したことで前半しか見ることが出来ませんでいたが、コメントを投稿させて頂きます。

    hirotosさんの5F分析の結果の通り、私も現状では、この業界(ビジネスモデル?)の魅力度はかなり高いと感じました。
    正に、日本の農業が発展を妨げられていた原因の一面、
    「農家はリスクを追って農作物を生産しているにも拘らず、その収益の安定性が約束されていないために、低品質なものを低価格で売ることに目を向けざるを得なくなってしまっていた」という問題。
    これをシンプルで効率的に解決できる仕組みと、大胆に実行できる箱を用意することで、ビジネスとしてしまいましたね。農家のいいものを作りたいという思いと、生活者のいいものにはそれなりの対価を払うという購買性向のマッチングを捉えている辺りも流石だと感じています。

    これまでも、これからも、このモデルのポイントは
    ①生産者サイドに如何に質の高い商品を作って貰うか
    →モチベーションをどう向上させ、保っていくか
    ②消費者サイドに如何に質の高い商品を体感させるか
    →いいものの存在を知らしめ、当たり前にしていくか
    であると思います。

    この2点を推し進めることで、
    日本人の野菜・果物選びのデファクトスタンダードの変革とそれによる農業の産業化に期待してしまう放送でした。

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  2. おっしゃる通り、農業法人みずほのビジネスモデルは、作り手、買い手、両者を結ぶ担い手の3者がうまく機能して、相互に良い効果をもたらしていますよね。私の周りにも高品質の食べ物にそれだけの対価を支払うという人は結構たくさんいます。
    psser-by the way さんのまとめられたビジネスモデルのポイントは的確だと思います。①はR&D、②はマーケティングにそれぞれ相当しますね。

    ちなみに私も録画に失敗し、今回は半分しか見れませんでした(笑)

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